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「効く」と「治る」は全く違う |
「効く」と「治る」 |
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【「効く」と「治る」は、全く違う】
この頃「効く」と「治る」は、全く違うとつくづく感じています。強い薬を使って効かせることは簡単です。しかし、体力の無い人は、それでは治らないのです。
現在私の薬局には、病院で治らない方が沢山来ます。
何故、病院で治らないのか、それは、「効かせる為に強い薬を大量に使う」からです。効く強い薬ですから、一時的には効きます。しかし、治らないのです。却って、体に負担がかかり、治癒からは遠ざかるのです。
西洋医学の薬の大半が対症薬、つまり症状を抑えるだけで、治す薬ではないのです。
体力があれば、強い薬で症状を抑えている間に、自分の治る力で治っていきますが、体力の無い人では、強い薬が体に負担となり、却って治る力が発揮出来なくて病気が長引く、という結果になります。
抗がん剤も同じです。効く薬であって、治す薬ではないのです。
効くので確かに一時的には、がんは小さくなります。しかし同時に体の治る力も奪います。免疫力はどんどん低下するので、やがて抗がん剤の効果は無くなり、また腫瘍マーカーが上がり始めます。西洋医学では、この時「耐性が出来た」といいますが、実は、免疫力(治る力)の低下が一番問題なのではないかと思います。
【押してだめなら引いてみな!】
私の漢方の師匠は、「押してダメなら引いてみな」とのことわざを良く使って説明してくれるのですが、「強い薬で効果が出ないと、もっと強い薬を使いたくなるけれど、少し考え方を変えて、反対に弱い薬でそっと助けてあげる、その方が体が治癒に向かって動き出す」というのです。
イソップ物語の「北風と太陽」の例えにもある通り、北風(強い薬)が攻めているときには、マント(病気)をしっかり押え込んでいた旅人(体)も、暖かい太陽の日差し(補う穏やかな薬)のもとでは、マントを脱ぎます。
がんの治療も一緒だと思います。手術、放射線、抗がん剤と、これでもかとばかりにどんどん攻撃的な治療を繰り返し免疫力を低下させるより、どうしたら治る力が湧いてくるかを良く考えて、自分の体に合ったものを自分で選択し実行する事が大切です。
【治るのを待つ】
体が「治る」為には、本当に時間がかかります。長い間の不養生によって弱った体を建て直すのですから、時間がかかって当たり前です。それは、「漢方薬だから時間がかかる」のではなく、「自分の体が治るのに必要な時間」なのです。
体の快復は、決して急激なものではなく、薄紙を一枚一枚剥がして行くような、ゆっくりとしたペースで行われるものです。
病気をしたら、「自分の体との上手な付き合い方を学ぶ良い機会」と捉え、「自分の体が治っていく過程」を養生しながらゆっくりと観察すると、「体の持っている自己治癒力」がどんなにすばらしいか良く解かってきます。
現代社会では、すべてに、すばやく簡便であることや即効性を求める風潮が有りますが、私は、強い薬剤で即効性を求めるよりも、患者さん自身の「地道な養生」と「でしゃばり過ぎない漢方薬の手助け」で「体が治るのを待つ」ようにしています。
【心も体も治し方を知っている】
他の人と比べるのではなく、食事の量、睡眠時間、休息、仕事などのペースを自分の体をよく観て、その日その時の状態で決めていく、決して無理をしない、自分の心に蓋をせず自分の心の声に耳を傾ける、などなど自分の心と体に注意を向けてみましょう。あなたの体も心も、ちゃんと治し方を知っています。
【治る力を引き出す漢方薬】
体力が落ちてしまって、なかなか治る力が出てこない場合は、漢方薬などの助けを借りる必要があります。
服用する漢方薬は体質によって異なりますので、漢方薬の服用をご希望の方は、静和漢方堂にご相談下さい。(TEL03-3220-1515)
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