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症例 |
症状 |
年齢・性別 |
アトピー性皮膚炎3 |
第1子を妊娠中からアトピー性皮膚炎がひどくなり… |
34歳 女性 |
【2003年6月7日】 31歳の時に第1子を出産。妊娠中からアトピー性皮膚炎がひどくなり、出産後も治らないとの事で来局。首、手、体が赤くガサガサして痒い。2歳の娘さんもアトピー性皮膚炎。
■コメント 一見すると、皮膚表面は赤くなっており熱を持っているように見えましたが、体はとても冷えていました。体力もなく、すぐ下痢をする、少ししか食べられないなど胃腸器系も弱いので、気血を補い、体を温め、胃腸に力をつける漢方薬を選薬しました。
<治療のポイント>
1、代謝を上げ体を温めることで、体の中に溜まっているアレルギー物質の排泄を促すと共に、新たにアレルギー物質が体内に入ってこないように腸粘膜を丈夫にし、アレルギー体質の改善をしていく。
2、皮膚には、当薬局独自の天然素材の塗り薬を塗布し、アレルギー物質の排泄を促すと同時に、殺菌・消炎作用で痒みを緩和し、新しい皮膚の再生を助ける。
3、ステロイドの塗り薬は、せっかく体が排泄しようとしているアレルギー物質をまた体の中に押し込めてしまうので、使用しない。
4、市販の石鹸やシャンプーは、アトピーの皮膚には刺激がきつ過ぎるので、皮膚に刺激を与えないハーブの全身シャンプーを使う。
結婚式に出席予定があるとのことで、7月5日から漢方薬の服用を始めることにしました。漢方薬を服用すると、体の治癒機構がダイナミックに動き始め、治るための反応が出て来ます。特にアトピー性皮膚炎の場合、体は治るために「アレルギー物質を皮膚から排泄すること」から始めるので、皮膚症状は一旦必ずひどくなります。そのため、結婚式出席などの行事が済んでから始める事をお勧めします。
【2003年7月9日】 7月5日から漢方薬の服用を始め、とても眠い、トイレが近くなった、ガスが良く出る、便通が毎日あるようになったなどの反応が出た。
■コメント すべて体が動き出した証拠の反応なので心配なし。
【2003年7月24日】 服用始めに出ていた反応が無くなった。
【2003年8月6日】 冷えを強く感じるようになった。気温が高くても汗をかかない。
■コメント これも良い反応です。漢方薬を服用すると、自分の体の状態をきちんと感じることが出来るようになります。つまり自分の体が如何に冷えているかをきちんと感じることは、治るための第一歩なのです。
【2003年8月13日】 ふくらはぎから足首にかけて浮腫む。
【2003年8月21日】 体調悪く、だるくて、眠い。
【2003年8月26日】 膝の裏がジュクジュクしてきた。右足のふくらはぎ〜足首が腫れて痛い。靴が履けない。左足も少し腫れている。
■コメント いよいよ体が治癒に向かって動き出し、アレルギー物質の排泄が始まりました。リンパ球などの免疫細胞が、患部に一斉に集まってくるので、患部が赤く腫れて熱を持ち痛みますが、これもすべて治るための反応なので心配ありません。しばらくは、大変ですが、アレルギー物質の排泄後は、グンと良くなるので、良くなった時を思い描いて乗り越えて下さい。
この頃、ちょうど実家に帰省されており、患部の腫れを見た実家のお父様(医師)から、「漢方薬の服用を中止するように」と言われたとのこと。アトピー性皮膚炎の治療の場合、漢方薬の服用を始めると、アレルギー物質の排泄が活発になり、一時期、皮膚症状が悪化しているように見えるので、家族の理解が必要です。
Nさんは、お父様には反対されましたが、中止することなく続けて漢方薬を服用してくださいました。しかし、家族にも理解してもらって、応援してもらった方が、治療もやりやすいし、患者さんも気分的に楽だと思います。
【2003年9月2日】 右足のふくらはぎの腫れは引いたが、足首、甲はまだ腫れている。今度は、左足が腫れて痛みがある。
【2003年9月4日】 両足とも痛みは消えたが、まだ腫れている。膝裏の湿疹は、少しジュクジュクする程度になった。顔、手の湿疹は良くなった。
【2003年9月9日】 ふくらはぎの浮腫みは引いてきたが、今度は、右大腿部が赤く腫れて痛い。膝の裏のジュクジュク無くなった。
【2003年9月13日】 右大腿部の痛みはなくなったが、まだ腫れている。嫌なにおいの汗が沢山出る。 ■コメント 通常だと、腫れた後、患部からジュクジュクと分泌物の排泄が始まりますが、体力が無いので、外に押し出す力が無く、内部で少しずつ処理しているようでした。嫌なにおいの汗は、毒素の排泄で、とても良いことです。
【2003年10月1日】 右大腿部の腫れが引いた。浮腫みも良くなっている。顔はきれいになった。手から腕にかけて、痒みはなくなったが、黒くガサガサしている。
【2004年1月28日】 首がジュクジュクしてきた。
【2004年2月9日】 首のジュクジュクが治まって、きれいになった。寝汗をかく。
【2004年3月27日】 寝汗をたくさんかく。汗がくさい。皮膚はきれいになった。
■コメント 汗による排毒が続いている。眠っていて体力の消耗が少ない時に排毒している。体力の無い人なりの排毒の方法をとっているようです。やっぱり人間の体ってすばらしい。
【2004年5月6日】 足に、時々小さな水泡のようなものが出来て、つぶれて、水が出る。
【2004年5月29日】 今まで、嫌がって漢方薬を服用しなかった2歳の子供にも工夫して漢方薬を飲ませたら、1週間くらいで皮膚の状態がグンと良くなった。 ■コメント 子供は効果が早い!
【2004年7月16日】 暑くて夏バテぎみ。食欲落ちた。
■コメント 暑さで体力が落ちている時に、無理やり沢山食べる必要はありません。量より質を考えて、バランスよく少量を良く噛んで食べるほうが体に負担が掛かりません。
【2004年8月24日】 皮膚の状態良好。冷たい物、甘い物は控えている。体調良好、食欲・便通も良好。
■コメント 夏に病気は作られます。「冷房などで体を冷やさないこと」と、「冷たい物、甘い物を控え、内蔵を冷やさないこと」は大切なポイントです。
【2004年11月12日】 手の甲に少し湿疹が出たが、他はほとんどなくなって、皮膚の状態良好。体調も良い。
【2004年12月8日】 第2子を妊娠したとの連絡あり。出産予定日は、2005年8月5日とのこと。皮膚の状態は、たまに首やひじの内側に少し出る程度で良好。
■コメント お二人目のお子さんの妊娠おめでとうございます。しかし、一人目のお子さんのお世話、フルタイムのお仕事、家事と、お一人目のお子さんの妊娠時より、体力的にものすごい負担が掛かるので心配です。もともと体力の無い方なので、くれぐれも無理をなさらないようにとお話ししました。何とか無事出産されますようにと祈るばかりです。
【2005年1月4日】 妊娠3ヶ月。つわりであまり食事がとれない、アトピーも出てきた。漢方薬を一部変更。
【2005年1月21日】 便秘するとのことで、腸を温め力をつけて便通を整える漢方薬を処方。
【2005年2月8日】 お腹が温まってきて、便通良好。食欲も出てきた。
【2005年4月22日】 体調良好、皮膚の状態も良好。便通も良い。少し貧血気味とのことで、血の材料になる鉄・亜鉛を含む補助食品の服用を始める。
【2005年5月21日】 漢方薬の服用のおかげで、一人目の妊娠時より、疲れない、調子が良い。
【2005年6月10日】 足が少し浮腫む。水処理効果のある漢方薬に一部変更。
【2005年7月2日】 産休に入って、実家に帰っている。産休に入ったら、足の浮腫みは良くなった。肘の内側に少しアトピーが出ている程度。その他、顔、体、足の皮膚はきれい。
【2005年7月14日】 肘の内側は、少しあとが残っている程度になった。浮腫みもない。順調。
【2005年8月5日】 無事女の子を出産。母子共に元気。
【2005年9月1日】 産後も順調。アトピーもひどくならない(一人目の子供の妊娠中〜産後はひどかった。)皮膚の状態良好。母乳も順調に出ている。母子供に元気。
■コメント 出産おめでとうございます。流産や早産になることなく、予定日どおり無事元気なお子さんが生まれて本当に良かったです。産後も順調で、アトピーもひどくならない、皮膚の状態良好と伺って、とてもうれしく思います。
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